こんにちは、つみれです。
第12回山田風太郎賞候補(2021年)5作を選考会までに全部読むチャレンジを行いました。
候補作をすべて読み終えましたので、各作品をまとめたいと思います。
対象の作品は下記5作です。
- 『六人の噓つきな大学生』/浅倉秋成
- 『スモールワールズ』/一穂ミチ
- 『ひきなみ』/千早茜
- 『ヒトコブラクダ層ぜっと(上)(下)』/万城目学
- 『黒牢城』/米澤穂信
それではさっそく書いていきます。
※2021年10月29日追記
第12回山田風太郎賞は、米澤穂信さんの『黒牢城』が受賞しました。
米澤穂信さん、おめでとうございます!!
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目次
第12回山田風太郎賞候補5作まとめ!
『六人の噓つきな大学生』/浅倉秋成
第12回山田風太郎賞候補の1作目は、浅倉秋成さんの『六人の噓つきな大学生』。
新進気鋭のIT企業の最終選考で、優秀な就活生6人の仮面が次々と剥がれ落ちていく不穏なミステリー小説です。
- 就職活動で苦労した経験がある
- 不穏な雰囲気の物語が読みたい
- 二転三転する物語が好き
紆余曲折を経て、人気IT企業の最終選考は「六人の中で誰が最も内定に相応しいか」を議論するという内容に決定。
議論の最中に見つかった不審な封筒が見つかります。
封筒のなかには、最終選考に残った6人にとって不都合な事実が書かれた紙片が入っており、それを材料に就活のライバルを蹴落とす醜い心理戦が幕を開けます。
「これ以上彼らの闇の面を見たくない」という気持ちと、「怖いもの見たさで読み進めたい」という気持ちが相半ばする一冊でした。
作品情報
書名:六人の嘘つきな大学生
著者:浅倉秋成
出版:KADOKAWA(2021/3/2)
頁数:304ページ
『スモールワールズ』/一穂ミチ
第12回山田風太郎賞候補の2作目は、一穂ミチさんの短編集『スモールワールズ』。
収録作6編はすべて家族をテーマとなっていますが、各編ごとに趣向・読み心地が異なっているバラエティに富んだ短編集です。
- 家族がテーマの物語を読みたい
- いろいろな読後感を味わえる短編集が読みたい
「家族」という共通のテーマはありますが、実質いろいろなジャンルの盛り合わせといった印象の本短編集。
イヤミス風味の苦みたっぷりな作品があるかと思えば、読後の余韻が爽やかな青春ものがあったりと多彩な読後感で読者を楽しませてくれます。
個人的におすすめなのは下記のとおりです。
- 2編目「魔王の帰還」
- 3編目「ピクニック」
- 5編目「愛を適量」
いろいろな読み心地・読後感を味わえるので、6編のうち何編かはお気に入りの作品が見つかるはずです。
作品情報
書名:スモールワールズ
著者:一穂ミチ
出版:講談社(2021/4/22)
頁数:306ページ
『ひきなみ』/千早茜
第12回山田風太郎賞候補の3作目は、千早茜さんの『ひきなみ』。
瀬戸内海の島に移り住むことになった小学生の少女・葉と、島内で孤立する少女・真以の関係性の変化を描く長編小説です。
- 島が舞台の物語を読みたい
- 女性の友情を描いた小説を読みたい
- 性差別・女性蔑視の問題を扱った小説に関心がある
葉と真以の二人の関係を追いつつ、女性蔑視・ハラスメントなどの問題に切り込んだ作品です。
現代社会に対する問題提起の側面を持っておりテーマとしては重めですが、読後感がとてもよくスッキリと読み終えることができますよ。
作品情報
書名:ひきなみ
著者:千早茜
出版:KADOKAWA(2021/4/30)
頁数:264ページ
『ヒトコブラクダ層ぜっと』/万城目学
第12回山田風太郎賞候補の4作目は、万城目学さんの『ヒトコブラクダ層ぜっと』。
特殊能力を持つ梵天・梵地・梵人の三兄弟が謎の女性に弱みを握られ、彼女の指示に従って異国の砂漠で冒険を繰り広げていくSFファンタジー小説です。
- 古代メソポタミア文明に興味がある
- 特殊能力を持つキャラクターが好き
- 「万城目ワールド」を堪能したい
- 大ボリュームの物語を読みたい
- 予測不能な物語が好き
なんといっても、単行本上下巻あわせて900ページ超という大ボリュームが特徴ですね。
物語としては万城目さん特有の「壮大なホラ話」が炸裂しており、1ページ先の展開が予測できない奇想天外な展開がウリ。
古代メソポタミア文明に興味がある人には特におすすめの一作となります。
作品情報
書名:ヒトコブラクダ層ぜっと
著者:万城目学
出版:幻冬舎(2021/6/23)
頁数:(上)448ページ、(下)492ページ
『黒牢城』/米澤穂信
第12回山田風太郎賞候補の5作目は、米澤穂信さんの『黒牢城』。
戦国武将の荒木村重が籠城中に直面する事件の謎を、敵将の黒田官兵衛が牢のなかから解き明かしていく一風変わった安楽椅子探偵ミステリーです。
- 戦国時代を舞台にしたミステリーが読みたい
- 戦国武将「荒木村重」「黒田官兵衛」が好き
- 「安楽椅子探偵」もののミステリーが好き
敵同士の荒木村重と黒田官兵衛が互いに反目しながらも、謎解きで一時的に協力体制をとる二人の関係が見どころの短編集です。
各短編ともに歴史小説としてもしっかりと作られており、ミステリー属性を加味したことによる不自然さを全く感じさせない完成度の高さがウリ。
ミステリー小説と歴史小説を一編に味わいたい欲張りな人におすすめの一冊となっています。
作品情報
書名:黒牢城
著者:米澤穂信
出版:KADOKAWA(2021/6/2)
頁数:448ページ
終わりに
第12回山田風太郎賞の候補作を選考会までに全て読み終えました。
本記事を読んで、第12回山田風太郎賞候補作に興味を持たれましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。
候補作について個別に記事を書いていますので、詳細を知りたい場合はそちらも読んでいただけると嬉しいです!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
つみれ
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