こんにちは、つみれです。
今村昌弘さんの描くミステリー小説「屍人荘の殺人」シリーズについて、その特徴や各作品のあらすじ、読む順番をまとめていきます。
それではさっそく書いていきます。
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目次
「屍人荘の殺人」シリーズの作品説明と読む順番!
特殊設定ミステリー
「屍人荘の殺人」シリーズは、特殊設定ミステリーを扱ったミステリーシリーズです。
特殊設定ミステリーとは、SFやファンタジーなどの設定を盛り込み、その特殊なルールのもとで繰り広げられるミステリーのこと。
SFやファンタジーの設定はミステリーと相性が悪いんじゃないか、と考える人もいるかもしれません。
しかしそうした特殊設定がしっかりとミステリーの論理に組み込まれることで、現実世界を舞台にしたミステリーでは不可能なトリックや謎解きができるようになります。
現実世界とは異なる特殊なルールを読者にも理解できるように説明したうえで、そのルールのもとにミステリーを繰り広げるのが「特殊設定ミステリー」です。
本シリーズのすごいところは、各作品で異なる特殊設定を用いていること。
これによって作品ごとに新鮮な驚きと新しい謎解きを楽しむことができるんです。
本シリーズの各特殊設定はネタバレになりますので、実際に読んで確かめてみてくださいね。
クローズドサークル
「屍人荘の殺人」シリーズは本編が3作発刊されており(2021年8月現在)、その全てがクローズドサークルを舞台にした作品です。
クローズドサークルの説明は下記。
何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品 Wikipedia「クローズド・サークル」
外界との連絡手段が絶たれることも多い。
サークル内にいる人物のなかに高確率で犯人がいると思われたり、捜査のプロである警察が事件に関与できない理由づけになったりなど、パズルとしてのミステリーを効果的に演出する。
「嵐の孤島」「吹雪の山荘」などがその代表例として挙げられる。
本格ミステリーファンはクローズドサークルというだけでワクワクしてしまいます。
さらに本シリーズは、上で説明した「特殊設定」があります。
クローズドサークルと特殊設定の掛け合わせでめちゃくちゃおもしろいミステリーシリーズになっていますよ。
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各作品のあらすじ
「屍人荘の殺人」シリーズは2021年8月現在で3作品が発表されています。
各作品のあらすじは下記の通りです。
『屍人荘の殺人』のあらすじ
神紅大学ミステリ愛好会会長にして名探偵・明智恭介とその助手・葉村譲は、なんとかして映研の夏合宿に参加したかったが断られ続けていた。
そんなとき彼らの前に不思議な体質を持つ少女・剣崎比留子が現れ、彼女を通して映研夏合宿への参加が決まる。
3名は映研メンバーとともにペンション・紫湛荘を訪れるが、そこで前代未聞の大事件に巻き込まれ、ペンション内に閉じ込められてしまう。
- クローズドサークルものが好き
- 普通の本格ものは飽きてきた
- 話題になった本が好き
▼『屍人荘の殺人』の個別記事
『魔眼の匣の殺人』のあらすじ
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子は、人里離れた山奥にある施設「魔眼の匣」を訪れる。
施設の主で予言者と恐れられる老女は、彼ら2名を含む来訪者に対し「この地で男女が二人ずつ、四人死ぬ」と予言。
最初は半信半疑だった来訪者たちだったが、そのうちの一人が間もなく死亡する。
「魔眼の匣」へと続く唯一の道である橋は焼け落ち、来訪者たちは不気味な予言の及ぶ範囲内で孤立してしまう。
- クローズドサークルが大好物
- ミステリー論が好き
- 王道の中で新たな試みを行っている作品に惹かれる
- 前作『屍人荘の殺人』の続きが気になる
▼『魔眼の匣の殺人』の個別記事
『兇人邸の殺人』のあらすじ
成島IMS西日本社長の成島陶次は、特殊な体質を持つ剣崎比留子の異能を当てにして、彼女とその友人・葉村譲に地方のテーマパーク「馬越ドリームシティ」の潜入調査への同行を求める。
潜入調査の目的は本シリーズの謎の根幹に関わる「班目機関」にまつわるもの。
葉村譲と剣崎比留子の二人も過去に二回、班目機関の研究がもたらす超常現象を目の当たりにしていた。
潜入チームは成島社長とその秘書、葉村・剣崎のコンビに実戦経験豊富な傭兵たちを加えた混成部隊。
一行は、テーマパーク内に建設された不気味な建物「兇人邸」に班目機関に関する秘密を嗅ぎ取る。
しかし、邸内は恐怖の首斬り殺人鬼が闊歩し、彼らの調査を阻むのであった。
- クローズドサークル・ミステリーが好き
- パニックホラーが好き
- 特殊設定ミステリーが好き
- 前作『魔眼の匣の殺人』の続きが気になる
▼『兇人邸の殺人』の個別記事
スピンオフ『明智恭介 最初でも最後でもない事件』
「屍人荘の殺人」シリーズには、上に書いた本編の他にスピンオフ作品『明智恭介 最初でも最後でもない事件』があります。
このスピンオフでは、『屍人荘の殺人』では語られなかった「屍人荘の前日譚」が描かれていて、メインストーリーの外伝的な物語になります。
本編とは雰囲気がだいぶ異なり殺人事件が起きるタイプのミステリーではなく、「日常の謎」を扱っています。
雰囲気こそゆるい感じですが、謎解きはしっかりと本格的なのでミステリーファンの人にもおすすめできますよ。
ただし2021年8月現在で書籍化されていませんので、読むためには下記の二通りのどちらかを選ぶ必要があります。
- 電子書籍で読む
- 文芸雑誌『ミステリーズ!vol.98』で読む
ちなみに私はkindle版(電子書籍)で読みました。
『明智恭介 最初でも最後でもない事件』のあらすじ
神紅大学に入学した葉村譲は、明智恭介という先輩に出会いミステリ愛好会に勧誘される。
手持ち無沙汰にしていた二人のもとに、とある依頼が舞い込む。
コスプレ研究部のサークル棟に侵入した泥棒が何者かに昏倒させられるという不思議な事件だった。
明智と葉村は意気込んで調査を開始する。
- 「屍人荘の殺人」シリーズが好き
- 「日常の謎」系ミステリーが読みたい
- 明智恭介と葉村譲のコンビが好き
▼『明智恭介 最初でも最後でもない事件』の個別記事
読む順番
本編とスピンオフをあわせた4作品について、読む順番のおすすめを二通り紹介します。
一つ目は、時系列順です。作品を時系列順で並べると下記の通り。
- 『明智恭介 最初でも最後でもない事件』
- 『屍人荘の殺人』
- 『魔眼の匣の殺人』
- 『兇人邸の殺人』
それからもう一つのおすすめは、スピンオフを回想風に楽しむ順番。作品をこの順番で並べると下記。
- 『屍人荘の殺人』
- 『明智恭介 最初でも最後でもない事件』
- 『魔眼の匣の殺人』
- 『兇人邸の殺人』
私のおすすめの読む順番は回想風のほうです。
終わりに
今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」シリーズは、「特殊設定」と「クローズドサークル」を融合させたユニークなミステリーシリーズです。
『兇人邸の殺人』以降も物語が続きそうなので、いずれ読んだときに当記事に追記したいと思います。
本記事を読んで今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」シリーズを読んでみたいと思いましたら、ぜひ手に取って読んでみてくださいね!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
つみれ
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