ミステリー、サスペンス

  (最終更新日:2021.02.26)

【感想】『獄門島』/横溝正史:不朽の名作ミステリー!

こんにちは、つみれです。

先日、横溝正史さんのミステリー短編集『本陣殺人事件』(角川文庫)を読み終えました。

表題作になっている「本陣殺人事件」は、かの有名な探偵、金田一耕助が活躍するシリーズの第1作目にあたりますが、これが最高におもしろかった!

なので調子に乗って、2作目『獄門島』(角川文庫)も読んでみました。いや、これは傑作ですよ!

それではさっそく感想を書いていきます。

作品情報
書名:獄門島

著者:横溝正史
出版:角川文庫(1971/3/30)
頁数:353ページ

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孤島で繰り広げられる美しき惨劇

私が読んだ動機

前作『本陣殺人事件』がおもしろかったので読みました。

こんな人におすすめ

チェックポイント
  • ミステリーが好き
  • ロジカルな謎解きをを味わいたい
  • 金田一耕助シリーズを読みたい

上にも書きましたが、本書の表題作「獄門島」は金田一耕助シリーズの2作目にあたり、短編「本陣殺人事件」の続編となります。

質問さん
先に「本陣殺人事件」を読んでいないと楽しめないですか?
つみれ
だいじょうぶ!「獄門島」からでも楽しめるよ

 

「獄門島」単体でミステリーとして完結しているので、どちらを先に読んでも大丈夫です。

ただ、「獄門島」の物語のなかに、金田一耕助の鮮烈なデビュー戦となった「本陣殺人事件」についてのやりとりがわずかに出てきたりします。

ですので、個人的には「本陣殺人事件」を先に読んでおくと、より「獄門島」を楽しめるかなと思います

※しかし、『本陣殺人事件』に収録されている「黒猫亭事件」「車井戸はなぜ軋る」の2編は、時系列的には「獄門島」のあとに当たるようなので、本当に好きな方から読んでいいと思います。

全編にわたってなかなかロジカルなミステリーが展開されますので、その手の本格ミステリーが好きな人にはお勧めの一冊です!

あらすじ

太平洋戦争終結直後、金田一耕助は亡き戦友鬼頭千万太の遺言に従って、瀬戸内海に浮かぶ島「獄門島」に向かう。

千万太の遺言に曰く、「三人の妹たちが殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ……」

「なんでそんな物騒なところに行かなくちゃいけないんだ」とは思わない実直な金田一耕助は、獄門島で網元を務める鬼頭家に着くと、どこか様子の変わった異常な美人三姉妹と出会う。

遺言に示されたような事態にならぬよう獄門島に出向いた金田一耕助だったが、その甲斐もなく、島は凄惨な連続殺人事件の舞台と化していく。

つみれ
あらすじからして、既におもしろさ100%だ

 

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美しき殺人現場

私は基本的にネタバレをせずにミステリーの良さを語りたいと思っています。

ネタバレというのはこれから読む人の楽しみを奪ってしまう行為ですもんね。

事件現場の話を書くのはネタバレギリギリのラインを攻めることになるので、本来であれば避けるべきなのですが、やはり『獄門島』の魅力を伝えるうえでは、これを語らないわけにはいかないのです。

なにしろ人の死が描かれているはずの事件現場であるはずなのに、なんとも言いようのない「美しさ」が表現されているのです!

それこそ芸術的と言ってしまえそうなほどに!

ネタバレをせずに言えるのはここまででしょうか。

もったいぶった言い方になってしまうのですが、やはり事前に情報を仕入れることなく、この鮮烈なまでの事件現場の美しさを味わってもらいたいですね!

トリックの巧妙さ

『獄門島』の魅力を構成している要素の一つに、「トリックの巧妙さ」があります。

これもネタバレを避けつつ書くのは難しいのですが、物語の序盤に読者を引っかけるような「撒き餌」がたくさん配置されているのですね。

蓋を開けてみれば事件自体は非常に単純なものなのですが、読者を惑わせるような余計な情報についついミスリードさせられてしまうのです。

このあたり、やはり巧い!と唸らざるを得ません。読んだあと、こんな単純なことだったのか!と驚けるミステリーというのはいいですよね。

ぜひ本作の構成、トリックの巧みさを味わっていただきたいです。

 

 

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・最初の事件は「撒き餌」

ちょっとだけネタバレします。

普通、ミステリーを読んでいて連続殺人事件が発生したとき、一人の凶悪犯が次々と犯行を重ねて行ったのだろうなとまず最初に考えてしまいがちなところ、つい考えてしまいたくなってしまうところに本作のワナが仕掛けられています。

つまり、最初の事件の犯人が、後で起こる事件の犯人でもあると思い込んでしまう。ミステリーをよく読む人ほど引っ掛かってしまいそうな巧妙なワナ。

最初の事件で、とある人物の言動がもう違和感バリバリというか、怪しさ全開なんですよね(笑)

不自然なほどに怪しくて、

つみれ
もうお前、犯人だろう!!(笑)

 

と思わずツッコんでしまうくらいに。これがワナ。

「犯人わかっちゃったぜ」感の嬉しさが読者の目をくらませるんです。言ってみれば「撒き餌」ですね。

この印象が強烈なミスリードとなって、以降の展開がもう完全にわからなくなってしまうという構成なんですね。これは巧いなと思いました。

全てわかったあとに、最初の事件の犯人の言動を振り返ってみると、やっぱり仰々しすぎるほどに怪しいんですよね~。この怪しさは疑うべきでしたね!

私ですか?当然撒き餌に食らいつきましたとも!ハッハッハ(笑)

くやしい(‘_’)

 

・あの名セリフ

本書の終わりに、「本書中には、今日の人権擁護の見地に照らして、不当・不適当と思われる語句や表現がありますが、作品発表時の時代的背景と文学性を考え合わせ、著作権継承者の了解を得た上で、一部を編集部の責任において改めるにとどめました(『獄門島』kindle版、位置No. 4597)」と書いてあります。

今から見れば、やはり相当昔の作品なので、中には現代的な倫理観、道徳観から外れたような表現も散見されるわけですが、これはもうそういった時代に描かれた作品と割り切って読むしかないですね。

本作のトリックのうちの一つにとある「名セリフ」があるわけですが、これが今日的な倫理観から外れるワードがキーになっています。難しい問題ですよね、こういうのって。

この箇所に関して、私個人としては、純粋にミステリーの仕掛けとしてのすばらしさを楽しんで読んでほしいなと思いました。

終わりに

はっきりいって、めちゃくちゃにおもしろかったです。

仕込みや仕掛けが巧すぎて、もう金田一シリーズをどんどんと読んでいきたいくらいですね。

と思って調べましたら。

このシリーズ、長編短編あわせて70作品以上( ゚Д゚)というとんでもない作品数を誇っているんです!

全部読んでいったら絶対に挫折するので、まずは名作と謳われている作品にしぼって読んでいきたいなと思いました(笑)

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

つみれ

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