こんにちは、つみれです。
私はクローズドサークルもの(外界との往来が断たれ孤立するミステリー)のミステリーが大好きです。
クローズドサークルといっても舞台はいろいろありますが、なんといっても「館もの」が私は一番好きですね。
旧家のお屋敷や怪しげな洋館で繰り広げられる数々の惨劇。いやー、興奮しますねえ!
綾辻行人『十角館の殺人』を読んだときは、おもしろすぎて思わず震えました。
さて今回感想を書いていくのは、怪しげな館を舞台に起こる殺人劇を描く周木律(シュウキリツ)『眼球堂の殺人』。
放浪の数学者を主人公に据えた理系ミステリーで、ロジカルな要素がふんだんに盛り込まれた長編です。
私はとんでもない深読みをしてしまい、予想を盛大に外してしまいましたが、おもしろかったです。
※ネタバレ感想は折りたたんでありますので、未読の場合は開かないようご注意ください。
作品情報
書名:眼球堂の殺人 (講談社文庫)
著者:周木律
出版:講談社 (2016/9/15)
頁数:576ページ
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目次
まだ読んでいない方へ
私が読んだ動機
クローズドサークルものが読みたくて、インターネットで検索して見つけました。
こんな人におすすめ
- クローズドサークルものが好き
- 理系ミステリーを読みたい
- 電波系のキャラクターが好き
『眼球堂の殺人』はミステリー作家周木律のデビュー作です。
この周木律というペンネームは化学用語「周期律」(意味はよくわからない)をもとにしたとのことで、いかにも理系ミステリー作家といった感じですね。
初めて読む作家さんでしたが、印象としては綾辻行人の「館シリーズ」に森博嗣の理系要素を掛け合わせたようなイメージでしょうか。
登場人物も主人公含め基本的には変人だらけ!
私は理系的な会話は苦手なのでよくわからない箇所は斜め読みをしてしまいましたが、肝心のトリックはかなり楽しめました。
万人におすすめはできませんが、ハマる人はハマるような若干クセのある独特の味わいが魅力です。
変人だらけのキャラクター
世界的な建築学者である驫木煬(トドロキヨウ)が、彼の新居「眼球堂」に主人公を含む各界の天才たちを招いたところ、次々と凄惨な事件が起こるというのが基本的な筋書きとなります。
この天才たちというのが物理学者から芸術家まで様々いるわけですが、いわゆる普通の人たちではなく、どこか変人じみています。まさに天才となんとかは紙一重。電波系なキャラクターも複数います。
彼らのやり取りをどこまで楽しめるか、あるいはどこまで彼らに感情移入できるかというのが、物語を楽しめるかどうかの一つのカギといっていいでしょう。
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眼球堂の俯瞰図、見取り図がおもしろい!
登場人物が変人じみているだけでなく、眼球堂という邸宅自体も非常に奇妙なつくりをしていて、良くも悪くもミステリーとして変化球といった印象です。
序盤でこの眼球堂の俯瞰図、見取り図が掲載されているのですが、これがもう見るからにトリックが仕込まれていそうで、見ているだけでもおもしろい代物となっています。
作者である周木律氏は大学で建築を専攻していたそうで、あとがきには設計図や配線図などの図面に魅力を感じるといった趣旨のことが書いてあります。
文系の私からすると信じがたいほどのことですが、きっとこのあたりの作者の嗜好が物語に色濃く影響しているのでしょう。
ただはっきり言いますが、私は眼球堂に住みたいとは全く思いません。だって暮らしづらそうなんだもん。
殺人トリックが見事
人が死ぬミステリーですから、当然どうやって殺害したのか、というのが見どころの一つになってきます。
ミステリーでは、人を殺すのに、ナイフや拳銃、はたまた毒など、実にいろいろな方法が使用されます。
ところがこの小説の人の殺し方はちょっと違うんです!
なかなか類をみない殺し方で、ほほーっ、これはすごい!と思いました。
なんか最悪なことを書いていますが、ミステリーってそういうものですよね…?
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▼クローズドサークルまとめ
【ネタバレ感想】すでに読了した方へ
危険!ネタバレあり!冒頭でも触れましたが、私はこのミステリーの謎を解くにあたってものすごい深読みをしてしまい、盛大に予想をはずしました。
ネタバレになりますが、その経緯を書いてみようかと思います。茶番に近い内容です。
ネタバレ成分を多く含みます!
今後読む予定の方は絶対に見ちゃダメ!おもしろさが激減します。
おわりに
いろいろな意味で心に残る作品となりました(笑)
続編もたくさん出ているようですね。トリック自体はとてもおもしろかったので、そのうちに読んでみようかと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
つみれ
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