こんにちは、つみれです。
市川憂人さんの描くミステリー小説「マリア&漣」シリーズについて、各作品のあらすじや読む順番をまとめていきます。
それではさっそく書いていきます。
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目次
「マリア&漣」シリーズの作品説明と読む順番!
本格ミステリーシリーズ
「マリア&漣」シリーズは、市川憂人さんが描く本格ミステリーのシリーズです。
2021年11月現在、1~3作目までは文庫本で、最新作の4作目は単行本で刊行されています。
- 『ジェリーフィッシュは凍らない』
- 『ブルーローズは眠らない』
- 『グラスバードは還らない』
- 『ボーンヤードは語らない』
全てのタイトルが「~は・・・ない」という名前で統一されているのがナイスセンスですね。
世界観・雰囲気
本シリーズは、各作品に通底する雰囲気がとてもユニークです。
舞台は80年代のアメリカのような国(作中ではU国)に設定されていて、パソコンやスマホなどはまだない時代。
しかし、現実世界の80年代の世界と異なる点もあり、各作品ともに何かしらオーバーテクノロジーの産物が登場します。
例えば、第一作目の『ジェリーフィッシュは凍らない』では、タイトルにもある「ジェリーフィッシュ」という架空のクラゲ型飛行船が登場。
このジェリーフィッシュがクローズドサークルの舞台になるというワクワク感マックスのミステリーです。
クローズドサークルの説明は下記の通り。
何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱った作品 Wikipedia「クローズド・サークル」
外界との連絡手段が絶たれることも多い。
サークル内にいる人物のなかに高確率で犯人がいると思われたり、捜査のプロである警察が事件に関与できない理由づけになったりなど、パズルとしてのミステリーを効果的に演出する。
「嵐の孤島」「吹雪の山荘」などがその代表例として挙げられる。
二作目の『ブルーローズは眠らない』は、作ることは不可能とされていた「青いバラ」を作出することに成功した人物が事件に巻き込まれていく物語。
このように現実の80年代の科学水準を大きく超えたアイテムが、SF的な世界観を演出し作品の雰囲気を盛り上げてくれます。
また、それらが謎解きの根幹にも関係しているという凝った作りになっているのです。
一応、科学的なウンチクが語られるシーンもありますが、その内容がわからなくてもミステリーを楽しむうえでは何の問題もありませんので安心してくださいね。
2つの視点から語られるシリーズ
本シリーズの特徴の一つとして、2つの視点から物語が語られるということがあります。
例えば、『ジェリーフィッシュは凍らない』では、下記の2つの視点が交互に語られます。
- ジェリーフィッシュ
- 地上
どの作品でも、片方の視点は「マリア&漣」の刑事コンビ(本シリーズの主役級キャラ)による捜査パート。
そして、もう片方の視点はゲストキャラたちが事件に巻き込まれる事件パートとなっています。
捜査パートではマリアと漣の軽妙なかけあいと絶妙な推理が楽しめるのですが、この二人のやりとりが本当におもしろいんですよ。
マリアは基本的にズボラで服装や生活習慣もダメダメ。
しかし、直感的でひらめき型の天才肌タイプで肝心な時に推理が冴えわたります。ちなみに超絶美人です。
一方、漣は常にマリアに憎まれ口を叩いている皮肉屋キャラですが、性質はしっかり者で冷静沈着。
ズボラなマリアの足りないところを補うことができる人物です。
なかなかいいコンビですよね。
そして事件パートでは、ゲストキャラたちが不気味で凄惨な事件に巻き込まれるミステリーが楽しめますよ。
この事件パートは密室やクローズドサークルなどを取り扱っていて、本格ミステリーファンも大満足の内容となっています。
これらの捜査パートと事件パートが交互に語られ徐々に真相に近づいていく構成になっているのですが、もう正直これだけでめちゃくちゃおもしろそうでしょ。
トリックとは別に、2つのシーンがどのように交差し繋がっていくのか、というところも本シリーズの醍醐味の一つですね。
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各作品のあらすじ
「マリア&漣」シリーズ各作品のあらすじは下記の通りです。
『ジェリーフィッシュは凍らない』のあらすじ
小型飛空船「ジェリーフィッシュ」の新型機試験航行中に開発メンバーの一人が変死する。
航行試験の途中で試験機は雪山に不時着したが、残りのメンバーたちも次々と犠牲になっていく。
刑事のマリアとその部下である漣は、搭乗者全員が変死したこのジェリーフィッシュの事件について捜査を開始する。
- 本格ミステリーを読みたい
- 「そして誰もいなくなった」系のミステリーが好き
- 新感覚のミステリーを味わいたい
- SF的な設定が好き
▼『ジェリーフィッシュは凍らない』の個別記事
『ブルーローズは眠らない』のあらすじ
両親の虐待から逃げ出した少年は、遺伝子研究を生業とするテニエル博士の一家に保護される。
テニエル邸で博士の助手として働き始めた少年は、屋敷内に潜む不気味な生物の存在に気づく。
一方、刑事のマリアとその部下の漣は、作るのが不可能と言われる青いバラを同時期に作出したテニエル博士とクリーヴランド牧師の二名を捜査するが、その過程で密室状態の温室から切断された首が見つかる。
- おもしろい密室ミステリーを読みたい
- 緊張感あふれる展開でドキドキしたい
- 理系要素のあるミステリーを読みたい
- 前作『ジェリーフィッシュは凍らない』がおもしろかった
▼『ブルーローズは眠らない』の個別記事
『グラスバードは還らない』のあらすじ
刑事のマリアとその部下である漣は希少動植物密売ルートの捜査中、その捜査線上に不動産王ヒューが浮かびあがった。
さっそくヒューを訪ねるために最上階が彼の邸宅となっている「サンドフォードタワー」に向かうと、タワーを爆破テロが襲う。
一方、ヒューの関係者4名は無機質で不気味なフロアに幽閉されてしまう。
ヒューの周辺では過去にも爆発事故が起こっていた。
- 奇抜なクローズドサークルものが読みたい
- スリル感あふれる物語が好き
- 理系要素のあるミステリーを読みたい
- 前作『ブルーローズは眠らない』がおもしろかった
▼『グラスバードは還らない』の個別記事
『ボーンヤードは語らない』のあらすじ
「マリア&漣」シリーズ4作目にして、初めての短編集。
様々な事件でマリア・漣と共同戦線を張ることになる空軍少佐ジョン・ニッセンの物語や、マリア・漣の過去が描かれる。
また、マリアと漣が初めて出会い、タッグを組んで事件に向き合うエピソードも収録。
シリーズメインキャラの過去や内面を深く掘り下げていく短編集となっている。
- 「マリア&漣」シリーズが好き
- シリーズメインキャラの過去、出会いを知りたい
- 前作『グラスバードは還らない』がおもしろかった
▼『ボーンヤードは語らない』の個別記事
読む順番
「マリア&漣」シリーズの読む順番については、下記刊行順で読むのがおすすめです。
- 『ジェリーフィッシュは凍らない』
- 『ブルーローズは眠らない』
- 『グラスバードは還らない』
- 『ボーンヤードは語らない』
一応、単品で読んでもトリック等は楽しめるように描かれていますが、上記の時系列で読んだほうがキャラクターや細かいエピソードがわかりやすくて一層楽しめると思います。
時間に余裕がある場合や、物語を100パーセント楽しみたい場合には、ぜひ刊行順に読んでいただきたいシリーズです。
終わりに
市川憂人さんの「マリア&漣」シリーズは、マリアと漣の軽妙なかけあいと本格的な謎解きがおもしろいシリーズです。
本記事を読んで、市川憂人さんの「マリア&漣」シリーズを読んでみたいと思いましたら、ぜひ手に取ってみてくださいね!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
つみれ
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