万能鑑定士Qの事件簿 III

ミステリー、サスペンス

  (最終更新日:2021.12.9)

【感想】『万能鑑定士Qの事件簿』3巻/松岡圭祐:「音」が謎解きの取っ掛かりになる雑学系ミステリー!

こんにちは、つみれです。

このたび、松岡圭祐(マツオカケイスケ)さんの『万能鑑定士Qの事件簿』3巻を読みました。

 

個人経営の鑑定家業を営む凜田莉子(リンダリコ)が、広範な知識と類まれなる観察力で数々の謎を解いていくミステリー小説です。

 

シリーズで言うと、「万能鑑定士Q」シリーズの第3巻です。

それでは、さっそく感想を書いていきます。

作品情報
書名:万能鑑定士Qの事件簿 III(文庫)

著者:松岡圭祐
出版:角川書店(2010/5/22)
頁数:288ページ

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音が謎解きの取っ掛かりになる雑学系ミステリー!

音が謎解きの取っ掛かりになる雑学系ミステリー

私が読んだ動機

  • 前巻までがおもしろかったから。
  • 読んでいて雑学が増えるのが楽しいから。

こんな人におすすめ

チェックポイント
  • 人の死なないミステリーが読みたい
  • 雑学・ウンチクが豊富な物語が好き
  • 気楽に読める小説が読みたい
  • シリーズ前巻(2巻)を読み、続きが気になっている

あらすじ・作品説明

かつて一世を風靡した凋落の音楽プロデューサー・西園寺響(サイオンジヒビキ)は借金まみれの生活を送っていた。

 

長年音楽に携わってきた彼はその才能を駆使し、「音」を利用した詐欺を繰り返す。

 

鑑定士・凜田莉子は、証拠を残さず犯罪を繰り返す西園寺を追い詰めることができるのか。

面白くて知恵がつく人の死なないミステリ

活力的な女性

『万能鑑定士Qの事件簿』は「万能鑑定士Q」シリーズと呼ばれています。

「万能鑑定士Q」シリーズのキャッチフレーズは、「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」

殺人事件を一切取り扱わないだけでなく、作中では自然死すら扱わないという徹底ぶりです。

 

人の死が苦手な人でも楽しめるミステリーシリーズですね。

 

「人の死」こそ描かれないものの、明確な悪意によるかなりタチの悪い事件が発生するのは、この3巻も前巻と同様。

3巻は、中盤から終盤にかけてはハラハラする展開の連続です。

主人公の凜田莉子が窮地に陥るシーンもあり、「人が死なない」からと侮れない緊張感がありますよ。

雑学・ウンチクが豊富

辞書の1ページ

「万能鑑定士Q」シリーズは、読むと雑学やウンチクに詳しくなれる「雑学系」ミステリーです。

主人公の鑑定士・凜田莉子がその広範な知識と優れた応用力で、謎を解いていきます。

この3巻も前巻同様、文章中で謎解きのヒントが与えられず、あくまで知識の有無を問うスタイル。

トリックや謎解きを楽しむというよりは、キャラクター同士のやりとりや駆け引き、もしくは物語自体を楽しむタイプのミステリーと言ったほうがイメージがつきやすいと思います。

謎が連続発生

本巻では一つの謎が解決しないまま、矢継ぎ早に事件が発生していきます。

複数の事件が続けざまに起こるのですが、それらを脇に置きつつ物語がどんどん進行していくので、序盤・中盤は思わず混乱してしまいそうになります。

しかし、その複数の事件が物語終盤で一気に解決していくので読後は爽快感がありましたね。

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3巻は「音」がテーマ

音符の書かれたブロック

第3巻は「音」がテーマになっていて、トリックから謎解きに至るまで音づくしです。

バラエティに富んださまざまな「音トリック」と「音雑学」を楽しむことができますよ。

 

特に「音に関する謎」はどれも不可解で魅力的でしたね。

 

例えば序盤ではオリジナルブランドのショップ「ラブラドール」の売上が急速に悪化するという謎が発生します。

この謎自体はすぐに原因がわかるのですが、これにもしっかりと「音雑学」が使われています。

あとで理屈を説明されると「なるほど!」と思わず膝を打って納得してしまう感じがおもしろいんですよ。

音にまつわるいろいろな雑学が登場するのは、まさに雑学系ミステリーの本領発揮という感じでとても良かったです。

キャラクターも音関係

ドラムセット

また、ゲストで登場する人物も、音楽プロデューサー西園寺響や、その妻で元歌手の如月彩乃(キサラギアヤノ)など、音楽関係のキャラクターが多いです。

特にこの西園寺響についてはあからさまに実在のとある音楽プロデューサーをモデルにしており、読んでいてなんともムズムズしましたね。

この西園寺、明らかに悪事を働いているにもかかわらず、容易に証拠をつかませない周到さを持っており、そのもどかしさったらありません。

西園寺響の悪辣さも3巻の醍醐味の一つですので、ぜひこの憎たらしさを味わってほしいです。

海外遠征も

スマトラの家と道路

本巻では、謎解きの過程で主人公コンビの鑑定士・凜田莉子と雑誌記者・小笠原悠斗が海外遠征をするシーンがあります。

このシーンはこれまでの描写とかなり雰囲気が違っていて、3巻の見どころの一つと言えます。

日本にはない現地の怪しさが独特の緊張感を生み出していて、ドキドキすること請け合いですよ。

 

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できるなら前巻までを読んでおこう

鑑定士が謎を解く雑学系ミステリー

本巻はシリーズの3巻ですが、前巻までを読んでおいたほうがいいのでしょうか?

結論を言うと、前巻までを読んでおくことによってこの3巻のおもしろさが格段に増します。

謎解き的には前巻までの知識がなくても全く問題なく、本巻から読んでも十分楽しむことができます。

ただ、3巻ではレギュラーキャラや舞台設定の説明がかなり省かれています。

物語や人物の背景などを楽しみたい場合は1、2巻を先に読んでおいたほうがいいでしょう。

終わりに

本作『万能鑑定士Qの事件簿』3巻は、かつて一世を風靡した音楽プロデューサー西園寺響を相手取って、鑑定士・凜田莉子が事件を解決していくミステリ―小説です。

読んでいると自然に雑学に詳しくなれるのは前巻までと同様で、「面白くて知恵がつく」のキャッチフレーズはダテではありません。

本記事を読んで、松岡圭祐さんの『万能鑑定士Qの事件簿』3巻がおもしろそうだと思いましたら、ぜひ手に取って読んでみてくださいね!

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

つみれ

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