竜泉家の一族シリーズ

ミステリー、サスペンス

  (最終更新日:2022.05.5)

「竜泉家の一族」シリーズ(方丈貴恵)のあらすじと読む順番を解説!

こんにちは、つみれです。

 

方丈貴恵さんの描くミステリー小説「竜泉家の一族」シリーズについて、各作品のあらすじや読む順番をまとめていきます。

 

それではさっそく書いていきます。

「竜泉家の一族」シリーズの作品説明と読む順番!

竜泉家の一族シリーズの各作品のあらすじと読む順番を解説

本格ミステリーシリーズ

海に浮かぶ孤島

「竜泉家の一族」シリーズは、方丈貴恵さんが描く本格ミステリーのシリーズです。

2022年5月現在で、下記の通り3作目まで刊行されています。

  1. 『時空旅行者の砂時計』
  2. 『孤島の来訪者』
  3. 『名探偵に甘美なる死を』
 

タイトルからは同じシリーズの作品であることがまったくわからないので、意外に思う人もいるかもしれませんね。

 

全作品が特殊設定ミステリー

幻想的な風景と枯木

方丈貴恵さんが描く「竜泉家の一族」シリーズは現段階で発表されている全作品が「特殊設定ミステリー」となっています。

特殊設定ミステリー・・・SFやファンタジーなどの現実ではありえない設定を使用し、特殊なルールを取り入れたミステリーのこと。

たとえば、一作目の『時空旅行者の砂時計』では、「タイムトラベル」がトリックや謎解きに密接に絡んできます。

作品ごとに違う特殊設定

「竜泉家の一族」シリーズのすごいところは、作品ごとに全く異なる特殊設定を採用して新鮮なトリックを提供してくれるところです。

第一作目の「タイムトラベル」という要素だけで何作品も書けそうなところなのに、毎回斬新な特殊設定を用意して読者を楽しませてくれるのはすごいとしか言いようがありません。

普通の本格ミステリーに飽きてしまった人にこそおすすめしたいミステリーシリーズです。

難易度は高め

曲がる光の帯

私は本シリーズの作品を第一作目の『時空旅行者の砂時計』から三作品すべて読んできましたが、総じて難易度は高めです。

謎解きが高難度という意味ではなく、特殊設定が凝りすぎているのでその内容を把握するのに時間がかかるということ。

 

これは特殊設定ミステリー全般にいえることですが、本シリーズは特にその傾向が顕著だと感じました。

 

正直なところ、ある程度「本格ミステリー」に慣れ親しんできた人でないとかなり難しく感じられると思います。

できれば、綾辻行人さんの「館」シリーズなどで肩慣らししてから本シリーズに取り掛かることをおすすめします。

クローズドサークルを扱うシリーズ

朝焼けがさしている島

「竜泉家の一族」シリーズのもう一つの特徴は、全作品が館系クローズドサークル作品であるという点。

クローズドサークル・・・何らかの事情で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱ったミステリー作品。

館内部の見取り図や、建物の周辺地図などを駆使した緻密なトリック・謎解きがウリで、その手のミステリーが好きな人にはたまらない魅力がありますね。

 

私も見取り図が大好きで、館系ミステリーによくある巻頭の地図はかなり味わって楽しみます。

 

「特殊設定」が加味されている珍しい館系クローズドサークル作品を読みたい人にはうってつけのシリーズとなっていますよ。

各作品のあらすじ

竜泉家の一族シリーズの各作品のあらすじと読む順番を解説

「竜泉家の一族」シリーズの各作品のあらすじは下記の通りです。

『時空旅行者の砂時計』のあらすじ

タイムトラベルが組み込まれた特殊設定ミステリー

雑誌ライター・加茂冬馬(カモトウマ)の妻・伶奈(レナ)は重い病にかかり死に瀕していた。

 

伶奈は名家・竜泉(リュウゼン)家の人間で、1960年、一家の人間が次々と殺され、生き残った者も土砂崩れでほとんどが死んでしまったという呪われた一族の子孫だった。

 

そしてその呪いはいま伶奈を死へと誘おうとしている。

 

加茂はマイスター・ホラと名乗る不思議な声の指示のもと、2018年から1960年にタイムトラベルする。

 

1960年に竜泉家を襲った「死野(シノ)の惨劇」の真相を解明し、妻の運命を変えるために。

『時空旅行者の砂時計』はこんな人におすすめ
  • 本格ミステリーを読みたい
  • 特殊設定ミステリーを読みたい
  • タイムトラベルを扱った物語が好き
  • クローズドサークル・ミステリーが好き

『孤島の来訪者』のあらすじ

人ならざる者が襲い来る特殊設定ミステリー

テレビ局のAD・竜泉佑樹(リュウゼンユウキ)は、番組のロケクルーとして無人島「幽世島(カクリヨジマ)」を訪れる。

 

この幽世島は、かつて13名の死者を出した事件が発生したいわくつきの島。

 

佑樹は幼馴染みを事故で失っているが、実はその事故は故意に起こされた犯罪だった。

 

事故を装って殺人を犯した罪深き3名に復讐するため、佑樹はテレビ局に入社したのだ。

 

ロケクルーはターゲットの3名を含む計9名。

 

機会を窺っていた佑樹だったが、なんとターゲットのうちの一人が何者かに殺されてしまう。

 

佑樹は自分の手で復讐を遂げるために、クルーのなかに潜む「犯人」を探し始める。

『孤島の来訪者』はこんな人におすすめ
  • 本格ミステリーを読みたい
  • 特殊設定ミステリーを読みたい
  • クローズドサークル・ミステリーが好き
  • 前作『時空旅行者の砂時計』がおもしろかった

『名探偵に甘美なる死を』のあらすじ

現実世界とVR空間を行き来する特殊設定ミステリー

「ゲームの中で人を殺してもらいたい」

 

有名ゲーム会社・メガロドンソフトから依頼を受けた加茂冬馬は、「犯人役」としてVRミステリーゲームのイベント監修を行うことに。

 

イベントの試遊会は瀬戸内海に浮かぶ島の保養所「メガロドン荘」で開催され、プレイヤーとして8人の素人探偵が集められた。

 

単なる遊びだったはずの試遊会は、何者かの意思によって邪悪なデス・ゲームへと変貌する。

 

プレイヤーたちは大切な人と自分の命を賭け、VR空間と現実世界で起こる殺人事件の謎を解かなければならない。

『名探偵に甘美なる死を』はこんな人におすすめ
  • 特殊設定ミステリーが好き
  • クローズドサークル・ミステリーが好き
  • とにかく複雑でややこしい謎解きを楽しみたい
  • 今まで味わったことのないミステリーを読んでみたい

読む順番

「竜泉家の一族」シリーズの読む順番については、下記刊行順で読むのがおすすめです。

  1. 『時空旅行者の砂時計』
  2. 『孤島の来訪者』
  3. 『名探偵に甘美なる死を』

ただし、一作目『時空旅行者の砂時計』と二作目『孤島の来訪者』は直接的な繋がりはあまりないため、どちらから読んでもさほど影響はありません。

三作目の『名探偵に甘美なる死を』は、前二作を読んでからのほうが楽しめると思います。

時間に余裕がある場合や物語を100パーセント楽しみたい場合には、刊行順に読むのが一番です。

終わりに

方丈貴恵さんの「竜泉家の一族」シリーズは、特殊設定と館系クローズドサークルを掛け合わせ、新鮮な驚きを提供してくれるミステリーシリーズです。

 

普通の本格ミステリーに飽きてしまったり、他では味わえない珍しいミステリーを読んでみたい場合におすすめですよ。

 

本記事を読んで、方丈貴恵さんの「竜泉家の一族」シリーズを読んでみたいと思いましたら、ぜひ手に取ってみてくださいね!

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

つみれ

名探偵に甘美なる死を【感想】『名探偵に甘美なる死を』/方丈貴恵:現実とVRの両方で事件が起こる!前のページ

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