こんにちは、つみれです。
本を読むようになってから人生がだいぶ良くなったと思う。
人生の転機というと大げさすぎるかもしれないけれど、読書によって段階的に人生の楽しさが増しています。
今回は、読書で人生が良くなった話を書こうと思う。
スポンサーリンク
目次
読書で人生が良くなった話
読書との出会い
私は高校生までほとんど本を読んでこなかった。
だから、読書ライフを語るとなると、自然に大学時代の話から始めることになる。
大学の文学部史学科に入学して、周りに読書家が多いことに驚いた。
周りの友人たちは、程度の差こそあれ読書を自然に楽しむような人が多かった。それこそ呼吸をするように本を読むのだ。
文学部とはそういうところなんだな、と思った。
本なんてほとんど読んだことない。
そんな人間は私くらいだったのではないだろうか?
結局、本好きの友人に相談しておもしろい小説を教えてもらうことにした。
「文学部史学科に入ったのなら」ということで教えてもらったその小説が、司馬遼太郎の『国盗り物語』だった。
戦国武将の斎藤道三、織田信長、明智光秀を描く『国盗り物語』は、これまでに何度も読んでいるが、本当に何度読んでも色褪せない歴史小説の傑作だ。
小説のおもしろさもさることながら、こういうすごい本をスマートに紹介できる読書家がすごいと思った。
ともあれ、ここから私の読書人生が始まったのだ。
まだ読書という趣味に対して若干の他人行儀さを感じながらも、大学時代は、東野圭吾・伊坂幸太郎・宮部みゆきなどのエンタメ作品を読みまくった。
▼関連記事
読書をやめた
しかしせっかくついた読書習慣も、会社に入って働くようになってからはすっかりなくなってしまった。
大学生から社会人になると、仕事の目まぐるしさや責任の重さに読書どころではなくなってしまったというのが正直なところだ。精神的にいっぱいいっぱいだった。
この頃の楽しみは、たまに大学時代の友人や会社の同期と会ってひたすら酒を飲むということくらいだった。
あとは家と会社の往復の生活。単調な日常。
「これがあと何十年も続くのか」と思うと、「人生とは案外無味乾燥なものだな」などと悟りを開いていた気がする。
読書習慣復活
会社で働き続けて5年も経てば、さすがに仕事に、そして社会人という人種であることに慣れてくる。
どんなに大変だと思ったことでも、時間をかければ次第に慣れていくものだ。
そして慣れは、心に余裕を生む。私は読書というおもしろい趣味があったことを思い出した。
当時は会社の寮に住んでいたのだが、その近くにあった大型商業施設にテナントとして入っていたこじんまりとした書店で、気になった本を買っては読んでを繰り返した。
この頃に読むようになったのが、辻村深月、恩田陸、池井戸潤、宮城谷昌光などの作家である。
この作家たちは私の読書ライフにおける「中興の祖」である。感謝してもしきれるものではない。
今から振り返っても本当にそう思うのだが、いい作家たちとの出会いの連続だった。
また、この頃から読んだ本について簡単に記録をつけるようになった。
感想などは書かず、読破したページ数などをノートにメモしていただけでしたが、その記録が少しずつ増えていくのが楽しかったんです。
スポンサーリンク
楽しすぎた「読書メーター」
2013年4月6日、運命の日である。
何があったか?
天意とでも言うべき出会いがあった。
この日、私は読書コミュニティサイト「読書メーター」に登録したのだ。
自分の読書記録をつけたり、備忘録的に読みたい本を登録したり、日本中の読書家とWEB上で交流したりできる夢のようなサイトだ。
ペンとノートで読書記録をつけることにも限界を感じていたし(検索性が低い)、「ここらで記録の場をデジタルの世界に移してもいいかな」といったところだ。
「おもしろい本探しと、読書記録の両立」
そんな軽い気持ちで登録したのだが、これが奇跡の出会いとなった。
自分にとって読書メーターの何が楽しかったかというと、読んだ本の感想を255字以内で登録することができるのだが、それに対して他のユーザーから反応がもらえるという点だ。
SNS的にいうと「いいね!」がもらえる感じだ。(読書メーターでは「ナイス!」というのだけど)
これが単純にうれしかった。
自分の書いた読書感想を誰かが読んで、反応してくれる楽しさ。
時にはコメントまでもらえることもある。この嬉しさが想像できるだろうか?
もともと私は孤独に読書を楽しんでいました。
本を通じて他人と繋がることの楽しさをまったく知らなかったんです。
もとは記録用に始めた読書メーターだったが、思いがけず他の読書家と交流できるツールであることを知り、むしろそれを楽しむことが、読書メーター運用のメインに据え置かれたのである。
「大げさな」と思うかもしれないが、自分と同じ趣味について語り合える仲間がいるというのは快感以外の何ものでもない。たとえWEB上だけの繋がりであってもだ。
気づけば「F5キー」でパソコンの画面を更新しまくって、都度「ナイス!」がついていないか確認してしまうくらいには、読書メーターにはまっていた。立派なSNS中毒である。
朝起きて、5アクション目くらいには読書メーターを開くくらいにはまっていた。立派なSNS中毒である。
読書メーターとの出会いは、私の人生を大きく変えたといってよい。
恐れ多き「イベント」機能
長い間、読書メーターにはまっていたが、一つだけ活用できていない機能があった。
「活用できていない」というより、「怖くて使えなかった」という方が近い。
それは「イベント」という機能だ。
読書メーターには、主催者がイベント開催の告知をし、さらに参加者を募ることができるという優れた機能があったのだ。
当のイベントは、WEB上で完結するものもあれば、実際に会って楽しむタイプのもの(俗にいうオフ会)もある。
私の胸中はといえば、もちろん「参加してみてぇ!!」である。
しかし、怖かった。
読書メーターの「イベント」ページは何回も何回も見ていたのだけど、怖くてついに「参加する」ボタンが押せなかった・・・!
自分のふがいなさにあきれて笑う。そんな日が続いた。
ちなみに、読書会などで話していると、「読書メーターに登録してから数日でこの読書会に参加しました」という人種に出会うことがある。
私の目から見れば、まさに一身これ胆なる猛者の所業といってよい。もっと悩むでしょ、普通。
初めての読書会
2016年5月、ついに参加しちゃったのである。
読書メーター「イベント」ページで読書会の参加者を募集していたので、ついに「参加する」ボタンを押してしまったのだ!
ボタンを押せた理由は、主催者が穏やかそうだったから。
押したはいいけど、今度はとめどなく不安が襲ってくる。
「変な壺とか買わされるんじゃないのか」
「年会費ウン千万の変な会に入会させられたらどうする」
私が初めて参加することになるその読書会は、とある図書館の一室を貸し切りにして、そこで行われることになっていた。
今から思えばバカなことだが、会場の出口に一番近い席にすわって、いざとなったら脱兎のごとく逃げよう、などという算段までしていた。
挙句の果てに、開始の30分前には現地に着いていたにもかかわらず、図書館の周りを何周も回りつづける挙動不審な男と化していた。
ミステリーなら警官に声をかけられてもおかしくないシーンだ。笑わば笑え。
結果的に読書会自体はめちゃくちゃに楽しかった。奇跡的な楽しさだったのだ。
生身の人間と、本について、読書について話し合うこと自体きわめてレアな体験だったし、単純に集まった人たちの読書レベルの高さにも驚いた。
当時の私はそれなりに本を読んできていたし、本に対する知識もそこそこついてきたと思っていたが、その日集まった人たちの読書量、読書に対する熱量はすさまじかった。
友人間や会社では私は「本を読む人間」だと認識されていたが、その程度の生兵法で太刀打ちできる相手ではなかったのだ。
井の中の蛙が大海を知った瞬間である。感動だ。読書がさらに楽しくなった。
もう一つ大きいのが、「読書会」「オフ会」に対する心理的ハードルが、この読書会参加によってかなり下がったことだ。
参加回数0と1との間には、参加への心理的ハードルという意味で天と地ほどの差がある。
実際、このあと何回も読書会に参加するようになる。家と会社の往復だった人生に読書会が加わって、明らかに生活に彩りが増した。
最初の読書会のとき、迷いに迷って最終的に「参加する」ボタンを押した自分の勇敢さには拍手喝采だ。
ちなみに、最初の読書会に参加してから4年経った今でも、この時の参加者の数人とはいまだに交流がある。
趣味の輪の偉大さというべきことである。
読書ブログを始める
2018年2月、このブログを始めた。いま読んでもらっているまさにこれのことだ。(読んでいただきありがとうございます!!)
理由は4つ。
- 自分の文章を他の人に読んでもらうのが楽しかったこと。
- 読書メーターの感想欄255文字制限が少なく思えてきたこと。
- 自分の読んだ本のおもしろさを他の人にも知ってもらいたかったこと。
- お小遣い稼ぎがしたかったこと。
3つめが一番大きかったかもしれない。『国盗り物語』で知った「本のおもしろさ」を、今度は伝える側になりたいというね。おこがましいかもしれないけどもね。
読書感想ブログを書くようになって変わったことは、本を読むときに「記事に書くとしたらどう書くか」を意識するようになったことだ。
アウトプットのためのインプットを心掛けるようになった。
記事を書くというゴールを設定して本を読むと、読書中に取る「読書メモ」もかなり詳細なものになってくる。ブログに間違ったことは書きたくないからね。
こういった姿勢のおかげか、ブログを始めてからは、読んだ本の記憶の定着率が格段に上がった。これはマジである。
正直、読書の質がめちゃくちゃ上がったと思う。
読書感想ブログを書く、というのはもはや最高の読書法の一つなんじゃないかとさえ思っているほどだ。
ちなみに一生懸命書いたブログの記事が完成したとき、最後の作業として「公開ボタンを押す」ことがあるのだけど、そのときの快感・達成感はすさまじいものがある。これもみんなに知ってもらいたい。
ブログはいいぞ!
終わりに
読書というのはいいものだよ、ということを実体験をまじえながら書いてきたわけだけど、書いていて思ったのは、改めて「やっぱり読書って最高だよなあ」ということ。
私は本を読んで人生がすごく楽しくなった実感があるから、この後もさらに楽しくなっていくんじゃないかなあという漠然とした予感がある。最高じゃないか。
まだ見ぬ本。まだ見ぬ読書家。まだ見ぬ読書会。全力でかかってきやがれ!!という感じである。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
つみれ
スポンサーリンク