ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

ファンタジー

  (最終更新日:2021.03.24)

【感想】『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』/J・K・ローリング:SF要素が楽しい!

こんにちは、つみれです。

このたび、J・K・ローリングさんの『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を読みました。

世界的な大ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの第三作目です。

▼前作の記事

それでは、さっそく感想を書いていきます。

2021年2月7日現在、本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、Kindle Unlimited の読み放題対象作品となっていますので、加入されている場合はぜひ読んでみてくださいね。(事前に対象作品の改廃情報をご確認ください)

作品情報
書名:ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
著者:J・K・ローリング(訳:松岡佑子)
出版:静山社(2001/7/1)
頁数:574ページ

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SF要素が楽しいシリーズ三作目!

SF要素が楽しいシリーズ三作目

こんな人におすすめ

チェックポイント
  • ファンタジー作品が好き
  • SF的な展開が好き
  • 世界的ベストセラー作品を読みたい
  • 前作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の続編が読みたい
  • 映画版を観て原作も読みたくなった

あらすじ・作品説明

ホグワーツ魔法魔術学校の三年生に進級したハリー・ポッターの身に危険が迫る。

 

魔法界の監獄アズカバンを脱獄した囚人「シリウス・ブラック」がハリーの命を狙っているという。

 

ホグワーツ校長のダンブルドアは窮余の一策として、アズカバン看守「吸魂鬼(ディメンター)」の力を借りて学校の警護に当たらせる。

 

危険なブラックと油断ならない「吸魂鬼」の両方を対策しなければならないハリーの難しい戦いを描く。

前二作と比べて暗め

暗い街並み

本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、前二作と比べるとやや暗めのトーンの物語です。

悪い魔法使いを閉じ込める監獄があり、これを「アズカバン」といいます。

本作冒頭で、このアズカバンの囚人のなかでもっとも凶悪な犯罪者「シリウス・ブラック」が脱獄します。

さらに、そのブラックがハリーの命を狙っているらしいというオマケつき。のっけからやばいです。

その対策としてアズカバンの看守「吸魂鬼」がホグワーツ魔法魔術学校(ハリーたちが通う学校)の警護に当たることになります。

この吸魂鬼がまたクセモノ。

彼ら吸魂鬼は「近くにいる人に絶望と憂鬱を与える」存在で、ハリーは特にこれを苦手としています。

ハリーにとって吸魂鬼は「完全な敵ではないが、だからといって味方でもない」という扱いに困る厄介な存在として描かれ、第三勢力的にハリーの前に立ちはだかってくるのです。

ハリーはブラックを警戒しつつ、吸魂鬼への対策も行わなければならないという苦しい状況に追い込まれてしまうわけです。

この要素のおかげで、「味方vs敵」のわかりやすい構図だった前二作と比べて一層深みが加わっています。

一方、物語的にはやや複雑さもプラスされている感があります。

というわけで、本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は、「シリウス・ブラック」と「吸魂鬼」という二つの危うい要素がハリー周辺を取り巻き、序盤からほの暗さを感じさせる物語となっています。

個人的には第三勢力的な存在が大好きなので、本作の複雑な状況はかなりおもしろかったです。

SFファンタジー

逆転時計

本作は、過去の二作と比較してかなりSF色が強くなっています。

第一作目『ハリー・ポッターと賢者の石』は王道のファンタジー、二作目『ハリー・ポッターと秘密の部屋』はそれに「謎解き要素」をプラスした印象でした。

本作はさらにSF要素を加味して、SFファンタジーといった感じに仕上がっています。

ネタバレになってしまうので詳細には触れませんが、このSF部分が『アズカバン』最大の見どころで本当におもしろいです。

物語終盤のSF展開がかなりおもしろく、ストーリーの練られ具合は3作のなかでは傑出していると思いました。

一方、この練り込まれた展開が物語の難しさ・複雑さも繋がっていて、先述の通り前二作と比べてややダークな内容であることもあわせてだいぶ大人向けに舵を切った印象を受けましたね。

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魔法の授業たのしそう

学園ものとしての描写は前二作と比べ控えめではあるものの、相変わらず魔法の授業は楽しそうです。

実際にあったら出席してみたい授業ばかりで、「子供のころにこの小説を読めればよかったなあ!」と思わせてくれますね。

新しく登場した2名の教師、ルーピン先生とトレローニー先生のキャラクターがいいです。

ルーピン先生は身なりはみすぼらしいけれど、温厚で教え方もうまい人気教師で、授業は「闇の魔術に対する防衛術」を担当。

彼の「魔物を教材として使う」授業風景がかなりおもしろく、「闇の魔術に対する防衛術」としてはやっとまともな先生が来てくれて私としても嬉しいシーンでしたね。(一作目のクィレル先生はともかく、二作目のロックハート先生も嫌いではないよ。というか好き)

吸魂鬼の対処法を知っていたり、物語的に何か秘密がありそうな感じで若干不穏さを滲ませるたたずまいがいいです。

トレローニー先生は「占い学」の担当で、毎回一人いる「変わり者」枠の教師(笑)

無能感が漂っていて、マジメなハーマイオニーから本気で嫌われているのがおもしろかったです。

ホグワーツ魔法魔術学校は教師陣が多彩ですばらしいですねえ。

仲良し三人組の描写

毎回微妙に変化するハリー・ロン・ハーマイオニーら「グリフィンドール」仲良し三人組の関係。

グリフィンドールは、ホグワーツ魔法魔術学校にある4つの寮のうちの一つ。

他に「ハッフルパフ」「レイブンクロー」「スリザリン」の3寮があります。

今作ではロンとハーマイオニーがバチバチに喧嘩しているシーンが多いのが印象的でした。

ハリー

前二作まででもハリーの不倶戴天の仇敵「ヴォルデモート」との対決を運命づけられている生い立ちを軸に、ハリーが持っている特殊な事情に触れるシーンは多々ありました。

しかし、あくまでホグワーツ魔法魔術学校で生活する一生徒としての描写もまだ多かったように思います。

ところが本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、ハリー自身が抱えている問題や両親の描写など、ハリー周辺の事情に関わる描写がいよいよ増えてきて、少しずつ物語の核心に迫っている感があります。

『アズカバンの囚人』単品でも十分楽しめますが、ハリーを中心に「シリーズもの」としてのおもしろさをだいぶ前面に出してきた印象がありますね。

ハーマイオニー

前作では様々な事情が重なり、ハリーやロンほどの活躍を見せることができなかったハーマイオニー。

本作ではハーマイオニーが前作の不完全燃焼感をくつがえすくらい大活躍します。

彼女は向上心があって、常人ではさばききれないほどいろいろな授業に出席していることが何回も語られます。

これが物語的にかなりいい伏線になっていますね。

仲の良かったハリーやロンから距離を置かれてしまいながらも強気に頑張っていたのが、我慢の限界を超えて一気に感情があふれ出してしまうシーンがあるのですが、これがめちゃくちゃよかったです。

ロン

ハーマイオニーとは反対に、ロンは前二作と比べてかなり活躍の場が削られてしまいました。

どちらかというとロンとハーマイオニーとがお互いのペットの件で喧嘩する険悪なシーンが頻繁に描かれていて、前二作とは異なる友情関係が描かれているのが印象的でしたね。

また、このペットの件が本作の重大なキーポイントになっています。

スリザリンの三人組

スリザリン寮生でハリーのライバルのドラコ・マルフォイですが、彼は相変わらずいいところがないなあ・・・。

好きなキャラなので「なにやってんの!もっとがんばれよ!!」と思いながら読みました(笑)

取り巻きのクラッブとゴイルが、ハリーの友人ロンとハーマイオニーに比べてスペックが低すぎるんですが、一周まわってこいつらのことが好きになってきました(笑)

3人あわせて味のあるキャラクターたちであるのは事実なので、今後の活躍に期待。

映画版もおもしろい

本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の映画版も視聴しました。

やっぱり、文字情報に限られた小説版だとややわかりにくい・伝わりにくい箇所を、視覚的に補完してくれるのが映画版の最大の強みですね。

まず、ハリーら仲良し三人組やマルフォイたちが一気に大人っぽくなっていて驚きました。

彼らの成長を視覚的に楽しむことができるのは映画版「ハリー・ポッター」のおもしろさの一つだと思います。

また、ヒッポグリフとか吸魂鬼など魔物の存在感がスゴイ。

正直、魔物の造形は小説の文章だけだとなかなか伝わってこないので、これも映画版のいいところの一つ。

映像作品としては、物語のほの暗さと連動するように画面も暗さが増していて、原作と同様に大人向けの印象が強くなっています。

小説版と比べてかなり省略されている箇所が多く、一部、小説未読の場合に理解が難しい箇所があるように感じられました。

特に私が好きなシーン(ネタバレになるので詳しく書けませんが「手紙」のシーン)が削られているのは寂しかったです。

それでも、ルーピン先生やシリウス・ブラックは、こういう容貌をしていたのか!という感動は映画版にしかないものですので、未視聴の場合はぜひ手に取って楽しんでいただきたい一作です。

終わりに

少しずつ物語がハリーの周辺の事情に切り込みはじめ、核心に迫りつつある感じが出てきましたね。いよいよおもしろくなってきました。

本作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』は記事では詳細に書けないSF要素がめちゃくちゃ楽しい一作です。

本記事を読んで、J・K・ローリングさんのファンタジー小説『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を読んでみたいなと思いましたら、ぜひ本書を手に取ってみてください。映画版もおすすめです!

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

つみれ

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