こんにちは、つみれです。
このたび、山本大平さんの『トヨタの会議は30分』を読みました。
トヨタ自動車でエンジニアとして働いた経験を持つ山本さんが自分の経験談を交えながら「トヨタ流仕事術」を紹介するビジネス書です。
それでは、さっそく感想を書いていきます。
作品情報
書名:トヨタの会議は30分
著者:山本大平
出版:すばる舎(2021/4/12)
頁数:216ページ
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目次
元トヨタのエンジニアがトヨタ流仕事術を紹介!
私が読んだ動機
- 無駄な会議をなくしたいと思っていた。
- 一流企業の仕事術に触れてみたかった。
こんな人におすすめ
- トヨタ流の仕事術が知りたい
- 会議の無駄をなくしたい
- 社会人になって5年目以内
- 20代の若手会社員
作品説明
新卒でトヨタ自動車に入社しビジネスの基礎を学んだ著者・山本大平さん。
その後、トヨタ自動車を退職し全く別業種の世界で様々な企業と関わった山本さんが、改めてトヨタ自動車の優れたビジネススタイルを述懐。
決してスマートではないが、泥臭くて実践的な「トヨタ流の仕事術・コミュニケーション術」を丁寧に紹介する一冊。
トヨタ流仕事術
本書はもともとトヨタ自動車でエンジニアとして働いていた著者・山本大平さんが、その経験を通して得た「トヨタ流仕事術」を紹介するものです。
山本さんはその後、TBS、アクセンチュアと各社を転々とし、今は独立されています。
「トヨタ自動車」と聞くと日本を代表するスゴい会社という感じがしますよね。
洗練されたビジネスマンたちがスマートに仕事をしているんだろうなと想像しちゃいます。
ですが、本書で紹介されているトヨタ自動車はどこまでも泥臭く、とことん実践的な会社です。
そこには大企業特有の鈍重で消極的な姿勢はまったく見られません。
本書では、そんなトヨタ自動車で鍛えに鍛えられた山本さんが、ご自身の経験談を交えつつ「トヨタ流仕事術・コミュニケーション術」を詳しく紹介しています。
時短会議術
本書の最初に語られている「時短会議術」はかなり納得の内容でした。
とりわけ私の心に刺さったのは無駄な会議はやめようという内容。
私も企業勤めをするなかで無駄な会議に何度となく参加してきたので、思わず「わかるわー!」と膝を打ってしまいました。
本来、会議というものは議題があって初めて開催されるべきもの。
それなのに、開催すること自体が目的になっているような不毛で無意味な会議のなんと多いことでしょうか。
果ては「会議を開催するにあたって議題を募集します」のような本末転倒な連絡が流れることも。
本書ではこのような目的を見失った会議はやめにし、効率の良い会議を行いましょうという内容がトヨタ流の会議運用術とともに語られています。
日本の忖度文化に喝!
とかく他人の心情を推し量ることが美徳とされる現代日本。
「忖度」という言葉が多少揶揄的な意味合いを持つに至った今でも、いまだにその風潮は根強いと言わざるを得ません。
ビジネスシーンでは、相手の顔色をうかがって自分の意見が言えない場面というものが確かにあります。
ですが、必要以上に人との摩擦を避け、本来交わすべき議論から逃げていては絶対にいい結果は生まれないのです。
本書では、必要な摩擦と不要な摩擦を混同せず、場合によっては「あえて空気を読まない」判断をすることも大切だと言っています。
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文字ベースでの議論は避ける
本書のなかで、メールと電話は時と場合によって使い分けるべきことが説明されています。
特に「なんでも文字ベースでのやり取りで完結させようとする」ことに対して警鐘を鳴らしています。
これは私も常日頃から思っていることなんですよね。
電話なら数分で済むことも、メールのラリーだと何往復もやり取りすることになり、最悪、回答をもらうのに日をまたいでしまうこともあります。
特に議論的な性質を持つやり取りは、文字ベースで行うと効率がガタ落ちします。
本書は、こういったわかりやすい無駄を省きましょうと繰り返し説いています。
「オヤジ」の愛の鞭
トヨタの生産工場には若手を厳しく育てる「オヤジ」たちがいるそうです。
この「オヤジ」たちの厳しくも愛のある鞭のエピソードがとても心に刺さりましたね。
私も入社して数年はめちゃくちゃ厳しい上司と先輩に鍛えられたので、この箇所は本当に懐かしい気持ちで読みました。
学生時代の甘えた考えを引きずった私のどうしようもない根性を、上司と先輩がこれでもかというくらいに叩き直してくれたのです。
恥ずかしい話ですが、本当に毎日のように叱られていたものです。
精神的にもかなりきつかった記憶があるものの、このおかげで私は20代のうちに身に着けるべきスキルをしっかりと習得できました。
また何より大きかったのが、いい意味で「叱られ慣れ」をしたこと。
非常に緊張感のある毎日でしたが、この時期に獲得したタフな精神力や立ち直りの早さ、切替えの早さは私の武器です。
本書で紹介されている、トヨタ工場のオヤジに三河弁で叱られまくる若手たちのエピソードもこれに通じるものがありました。
今、叱られまくりで悩んでいる人はぜひ本書を読んでみてくださいね。
サクッと読める
本書のいいところはとにかく読みやすいことです。
変にカッコつけたりせず、簡単な文章で伝えたい内容をわかりやすく伝えてくれています。
本書では「プレゼンでは聞き手を迷子にさせない」ことの重要性が語られており、相手に伝わらない専門用語の使用など「自己満足」だと一蹴します。
その精神が本書の文章でも貫かれていて、理解できないわかりにくい箇所が一切ありませんでした。
そのおかげかサクサクと読み進めることができます。
本書は200ページ強というそこそこのボリュームですが、読書スピードの遅い私でも2時間かからずに読めてしまいました。
10秒でチェック!
本書はビジネス書なので、馬鹿正直に最初の1ページ目から丹念に読み込んでいく必要はありません。
自分に関係のありそうな箇所や興味のある箇所、不足に思っている箇所だけを選んで読むのもおすすめです。
各見出しの終わりには「10秒でチェック!」というまとめページがあります。
このまとめページでは、各単元の重要ポイントを3つに絞ってそれぞれ1行ずつでまとめてあります(つまり合計3行)。
時間がない人や、自分に関係のありそうな箇所を素早く探したい人は、この「10秒でチェック!」ページを活用するのがおすすめです。
若手ビジネスマンにおすすめの一冊
本書は、20代のビジネスマンにかなりおすすめの一冊です。
特に、本書冒頭部の「はじめに」でも書かれている通り、社会人生活5年以内の人にはかなり参考になる内容だと思います。
私のように社会に出て15年にもなると、本書に書かれている内容はスキルとして身についているものも多いですが、それでも参考になる部分は十分ありました。
20代の頃のスキル習得の取りこぼしを補うという意味では30代、40代の人でも読む価値はありそうですね。
また、とにかく読みやすい一冊なので若手の後輩社員や部下に紹介してあげるのもいいかもしれません。
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終わりに
会社が大きくなればなるほど無駄や忖度が跋扈するもの。
日本を代表する大企業でありながら、そういった「大企業病」に侵されていないのがトヨタ自動車です。
本書では、そんなトヨタ自動車の泥臭くて実践的な「トヨタ流仕事術」がわかりやすく説明されていますよ。
本記事を読んで、山本大平さんの『トヨタの会議は30分』を読んでみたいと思いましたら、ぜひ手に取ってみてくださいね!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
つみれ
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