大ダーク(1)

マンガ

  (最終更新日:2021.12.10)

【感想】『大ダーク(1)』/林田球:『ドロヘドロ』の作者が描くユニークなSFファンタジー!

こんにちは、つみれです。

このたび、林田球さんのSFファンタジーコミック『大ダーク(1)』を読みました。

なんともすごいマンガに出会ってしまいました。正直、おもしろすぎます。

それではさっそく感想を書いていきます。

作品情報
書名:大ダーク (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

著者:林田球
出版:小学館(2019/11/12)
頁数:208ページ

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ユニークすぎるバイオレンスSFファンタジー!

『ドロヘドロ』の作者が描くユニークなSFファンタジー

私が読んだ動機

作者林田球さんの前作『ドロヘドロ』が大好きだったので。

こんな人におすすめ

チェックポイント
  • 陽気でバイオレンスな物語が好き
  • 謎だらけのマンガが読みたい
  • 林田球さんの前作『ドロヘドロ』が楽しめた

『大ダーク』の作者、林田球さんが本作の前に描いていたのが『ドロヘドロ』というマンガです。

これがなかなかバイオレンスなマンガなのですがめちゃくちゃおもしろいんです。

序盤から張り巡らされた伏線や謎、魅力的なキャラクター、迫力のある絵。どれをとっても一級品!

特に緻密に作られた世界観はもうすばらしいの一言でした。

その林田球さんが新しいマンガを描き始めたというのだから楽しみにも程があるというもの!

『大ダーク』も『ドロヘドロ』同様、バイオレンスな描写が多いのですが、どこかとぼけたような陽気さも持ち合わせていて独特の雰囲気が楽しめるマンガです。

世界観、登場人物、展開の全てが序盤から謎だらけ。

なのでついつい先が知りたくなって読み進めてしまう不思議な魅力があるんですよね。

特に『ドロヘドロ』が好きだったという方には、問答無用でおすすめできますよ!

世界観がユニークすぎる

宇宙

本作の舞台は宇宙です。

一人の少年が血だらけで宇宙を漂っていたところ、とある宇宙船に発見されます。

冒頭から意味が分からなすぎて思わず笑っちゃいました。

宇宙船の船長は、この少年がザハ=サンコという人物であることを見抜くと、瀕死の彼が死ぬまで宇宙船にとどめ置こうとします。

なぜなら、ザハ=サンコの骨はどんな望みも叶えられる力を持つからです。

この男の骨を手に入れればどんな望みも叶うらしい。『大ダーク』、p.12

意味がわからなすぎて脳が追いつかない。

そのため、ザハ=サンコは全宇宙の宇宙人から命を狙われているというすさまじい設定です。

その後、元気を取り戻したザハ=サンコは、不思議な力を持つ闇の皮と、相棒の闇のニーモツ「アバキアン」の力を使って宇宙船の乗組員たちを全滅させます。

その後も彼はその不思議な力で次々と襲い来る宇宙人たちを返り討ちにしていくのです!

なんというオリジナリティあふれるマンガだ・・・。

キャラクターがすごすぎる

レントゲンで写した骨

ザハ=サンコとアバキアン

ザハ=サンコは冒頭で宇宙を血だらけで漂っていた14歳の少年で、本作の主人公ですね。

宇宙を漂っている意味の解らなさもすごいですが、装備もすごい。

ザハ=サンコの装備

E 闇の骨

E 闇の皮

E 闇のニーモツ(アバキアン)

闇の骨が武器で、闇の皮が防具ですね。意味がわかりません。

闇の肉よ、こいっ。『大ダーク』、p.50

闇の骨は一見ただの骨なのですが、ザハ=サンコが「闇の肉よ、こい」と叫ぶと刃にあたる部分が実体化してハンドアックス型の武器になるという設定です。

武器の柄が骨、刃が肉というすさまじい武器です。設定がぶっとびすぎてる。

 

闇の皮は防具ですね。装備すると「真っ黒なローブ+不気味なマスク」といった格好になります。

この不気味なマスクがカッコイイんですよ。

『ドロヘドロ』でもそうでしたが、林田球さんが描くキャラクターはマスクを装着すると雰囲気がガラッと変わります。

闇の皮装着前のザハ=サンコは好青年風の風貌なのに、装着後は禍々しさマックスな感じになります。

このギャップがまたいいんです!

ザハ=サンコが闇の骨と闇の皮を装備して戦闘モードになったときのビジュアルはとてもカッコイイので、ぜひみてもらいたいですね!

 

闇のニーモツは「骨でできたリュック」みたいなもので、中から闇の骨を取り出すことができます。

ニーモツは「荷物」のことなのだろうか・・・?

闇のニーモツは変形することができて、「リュック型」と「人型」を切り替えることができます。

この「人型」の状態が、ザハ=サンコの相棒「アバキアン」なのです。設定がすごすぎるだろ。

しかし、このマンガの設定は文字で書いていても全く意味がわからないな!

死ま田=デス

本作の重要キャラクター(だと思われる)として、死ま田=デスという人物が登場します。

もう、まずネーミングセンスがすごすぎますよね(笑)

死ま田=デスは宇宙人の「死」を食って生きてる不吉なバケモノだ。闇の世界で生まれた謎の生物…『大ダーク』、p.108

死んだ宇宙人から立ちのぼる魂みたいなもの(死ま田=デス曰く「骨つき肉」)を食べて生きているというこれまたすさまじい設定です。

この人物もザハ=サンコと同様、通常マスクをかぶっているのですが、脱いだ時がまたカッコイイ。必見です。

死ま田=デスはいかにもザハ=サンコたちの仲間になりそうな感じですが、どうなのでしょう。続編に期待ですね。

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絵がやばすぎる

金色のペン

本作の絵はとても特徴的です。

一見、非常に荒々しく雑な印象を受けますが、何が起きているのかめちゃくちゃわかりやすいのがすごい。

キャラクターの人物造形やコマの構図がいちいちカッコイイんですよ。

好みが分かれそうな絵柄ですが、私は大好きですね!

dai-dark-cover

表紙がカッコよすぎる

 

このカッコイイ表紙を取ると・・・

 

dai-dark-cover-open

表紙は透明になっていて、取るとザハ=サンコの素顔が。このセンスよ!!

カッコいい・・・。

荒々しく雑な絵柄でバイオレンスかつグロテスクな場面を描きまくりますが、なぜかキャラクターや物語自体は底抜けに陽気というニッチな世界観が魅力。

こんな世界、林田球さんにしか描けない!

『ドロヘドロ』を読んだことがある人には、雰囲気が想像しやすいかもしれません。

謎が魅力的すぎる

宇宙

さすが『ドロヘドロ』を描いた林田球さんというべきか、本作も謎が満載です。

冒頭、ザハ=サンコが瀕死で宇宙空間を漂っていた事情も謎ですが(骨欲しさに襲撃されただけかもしれません)、何より「骨が願いをかなえる」という事情が謎ですよね。

この事情のせいでザハ=サンコは常に命を狙われてしまうわけですから。

ザハ=サンコとアバキアンの目的も、ザハ=サンコの呪われた運命の謎を解き明かすことにあるようです。

続きが楽しみですね~!

 

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終わりに

まだ一巻しか発表されていませんが、こんなに続きが楽しみなマンガはありません。

続編を楽しみに待ちたいと思います。

『ドロヘドロ』が好きな人にはもちろん本作も文句なしにおすすめなのですが、まだ林田作品を読んだことがないという人にも手に取ってもらいたいですね。このおもしろさをぜひ味わってほしいなと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

つみれ

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