科学

  (最終更新日:2020.12.5)

【感想】『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』/稲垣栄洋:タネの不思議を丁寧に解説!

こんにちは、つみれです。

「スイカのタネはなぜ散らばっているのか」?

つみれ
えっ?あまりマジメに考えたことはないけれど・・・。う~む・・・なぜだ!?

 

日常生活では気にもとめない些細なギモン。でもよく考えてみると不思議なことっていうのはいっぱいありますね。

植物にもそんなギモンがたくさんあるんです!

知れば知るほどよくできている植物の世界。タネの不思議。

稲垣栄洋『スイカのタネはなぜ散らばっているのか:タネたちのすごい戦略』(草思社)は、そんな不思議を解きほぐします。

それでは感想を書いていきます。

文庫版が発刊されました。

作品情報
書名:スイカのタネはなぜ散らばっているのか タネたちのすごい戦略

著者:稲垣栄洋
出版:草思社 (2017/9/13)
頁数:234ページ

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タネたちのすごい戦略を解き明かす

私が読んだ動機

読書会で紹介を受け、興味を持ちました。

普段なら絶対に手に取らない系統の本です。こういう本に出会えるのが読書会のすばらしいところですね。

※読書会とは本や読書について語り合うイベントのようなものです。

こんな人におすすめ

チェックポイント
  • 植物や種子のメカニズムに興味がある
  • でも、理系的な話は苦手(文系でも読めます!)
  • 文字だけはイヤ、イラストも欲しい派

植物は動くことができません。

しかし、植物が生き残っていくためには少しずつ生息地を広げ子孫を残していかなければなりません。

つまり、移動は必須のスキルなのです。

植物は思ったことでしょう。

「天はなぜ私を動けないままこの世に生まれさせたのかッ」

動けないというハンデを背負う植物は、さまざまな工夫をして子孫を残そうとするのです。

その工夫のうちの一つが「花粉」、もう一つが「種子」です。

これらの方法は、植物の移動を間接的に可能にしているのです。

本書では、そのなかでも「種子」、つまりタネに着目し、その不思議さを丁寧に解説してくれています。

タネに凝らされた様々な工夫、これが本当におもしろいんです!!

種子とは

種子は、植物にとっては子孫そのものである。種子が遠くに移動すれば、自らの子孫たちが分布を広げて、繁栄していくことになる。そのため、種子もまた、さまざまな工夫に満ちているのである。『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』kindle版、位置No. 13(まえがき)

冒頭のまえがきによると、種子の説明はこんな感じです。

自分では移動することのできない植物たちが間接的に移動を行うための工夫として、「種子」を移動させるという手段を用いたということですね。

しかし、種子も自分では移動できませんよね。

そこで、本書の目次の大見出しを見てみましょう。もうそれだけで種子のすごさが伝わってきます。

  • 風で旅するタネの話
  • 動物に運ばれるタネの話
  • まかれるタネの話
  • まかれないタネの話
  • 時を超えるタネの話
  • 食べられるタネの話

などなど。

目次を見ているだけでタネのすごさ、不思議さが、そして本書のおもしろさが伝わってくるようではありませんか!

食べられちゃってるじゃん!いいのかよ!とか思いますでしょ?(笑)

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タネの戦略

本当にタネに戦略なんてあるのか?

本書を開く直前まで、私はタネのことを疑いのマナコで見つめていたと言っていいでしょう。

タネと言えば、せいぜい人間が果物を食べるときの障害物・・・。

人間がまいてあげなければ芽もだすことができない弱い存在・・・。

正直、そう思っていたのです。

植物からすれば、そんな私を鼻で笑っていたことでしょう。あれ、この場合は花で笑うんですかね。はい、どうでもいいですね。

例えば、タンポポの種の話。

だいたい一度くらいはタンポポの綿毛をフーって吹いてキャッキャと遊んだ記憶がありますよね~。(やったことないあなた。今度綿毛を見つけたらやってみましょう。きっと童心に返れます

そうすると風に乗って飛んでいくわけですが、あのなかに種子が入っているとそういうことです。

うおおおお!種子が移動している!風に飛ばされて!種子が移動している!!

こんな驚きに満ちた種子の話が50個近くも掲載されている。それがこの本です。

しかも、タンポポの話はまだ続きます。

タンポポには日本タンポポと西洋タンポポという二種類があり、西洋タンポポは一年中花を咲かせるのに対し、日本タンポポは春にしか花を咲かせないというのです。

こ、これは「外来種の脅威」的なストーリーか!と身構えていたのですが。

なんと、日本タンポポの「春にしか咲かない」という戦略が説明されていくのです・・・!

他の植物が生い茂る夏を避けるように春にさっさと花を咲かせ、さっさと種子を飛ばし、さっさと散る。

ライバルが多い夏にナンバー1になることは難しいから、ライバルたちが芽を出す前に、花を咲かせて種を残すという戦略なのである。『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』kindle版、位置No. 164

なんと効率的なのか!

それに対し「日本の四季を知らない」西洋タンポポは、他の植物に日光を奪われてしまうような夏でも花を咲かせてしまう。

日本タンポポはこの徒労をおかさないのです。植物すげえ・・・。

風に吹かれて自由気ままな綿毛生活うらやましいとか思ってましたが、すみませんでした・・・!

だんだんと、「スイカのタネがなぜ散らばっているのか」も気になってきましたでしょ?

文系にもわかりやすい

上にも書いてきましたように、非常に科学的な魅力にあふれた本になっております。

そうすると、文系の人には付いていけなくなるのではないか!?といった不安が頭をもたげてきます。

大丈夫です!

私は因数分解のやり方すら忘れてしまったほどの超文系寄りの人間ですが、ほとんどわからないところはなかったです!

説明や例え話がわかりやすくユーモラスで、単純に読み物として魅力的なんですね。

さらにイラスト付きなんです。

このイラストがまたとてもきれいで見やすいんですよね~。

ちょっと調べてみましたら、このイラストを描いたのは西本眞理子さんという方で、植物画で有名だそうですね。

なるほど、いやー、巧の技です。

このイラストのわかりやすさが、私たち読者の理解を大いに助けてくれています。

終わりに

読めば読むほどに、植物、そしてタネの世界のメカニズムに驚かされてしまう。そんな本でしたね。

私など、これはプログラミングの話ではないのか!?と錯覚してしまったほどです。いやほんと、冗談でなく!

それほどよくできたタネの世界、ぜひ本書を読んで味わってみてください。

きっとタネを見る目が変わるはずです!

自然ってすごいんだなあ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

つみれ

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