読書まとめ

  (最終更新日:2019.01.2)

【まとめ】2018年12月読書まとめ

あけましておめでとうございます!つみれです。

お正月はついついダラダラしてしまいますね!まさに寝正月というやつです。

さて、2018年の後半は読書量やブログ更新頻度がガクッと落ちてしまい、このまとめもものすごく久しぶりです。

さっそく、2018年12月分の読書まとめをやりましょう。

本を読み終わった後、私は読書コミュニティサイト「読書メーター」に感想をアップロードしておりまして、今回もそれをガガガっと書いていきます。

12月は久しぶりにそこそこ本が読めましたが、なかでもよかったマイベスト本は、乾緑郎『機巧のイヴ』です!

これは続編も出ているようなので、ぜひとも続きを追っていきたい作品ですね。

スポンサーリンク

2018年12月 読書まとめ

ギケイキ: 千年の流転(河出書房)/町田 康

(395ページ、2018/12/05読了)

源義経について書かれた軍記物語『義経記』を現代人にもわかりやすく表現し直した小説なのだが、なにより特徴的なのがその文体。

読み始めこそ、文章のふざけっぷりに驚いてしまうものの、読み進めるほどクセになる独特の味わいがあり、不思議と内容がスルスル頭に入ってくる。

また、現代の感覚を持ち合わせるチャラい義経が当時の出来事をおもしろおかしく語るという手法をとっているのも特徴で、歴史小説の敷居の高さを感じさせない新しいやり方にとてつもない可能性を感じた。

基本的にエキセントリックな小説なので、好みが分かれるとは思う。

☟ 関連記事

 

スイカのタネはなぜ散らばっているのか: タネたちのすごい戦略(草思社)/稲垣 栄洋

(253ページ、2018/12/07読了)

極めておもしろい。

「種子が遠くに移動すること」がその植物の子孫繁栄につながるとすれば、自ら動くことのできない種子がどうやって移動を達成しているのか、という単純な問いかけがある。

その問いに対して、種子たちは非常にバラエティに富んだ解答群を用意しているのだ。

とある種子は風に乗って飛び、とある種子は衣服にくっついて運ばれる。本当に、プログラミングの話かと錯覚してしまうほどよくできた世界だ。

むしろ、各植物を設計したSEたちが自分の書いた仕様書について誇らしげに語っている、そんな風景すら浮かんでしまう本である。

☟ 関連記事

 

花鳥の夢(文春文庫)/山本 兼一

(508ページ、2018/12/12読了)

主人公は戦国末の絵師狩野永徳。狩野家当主として一門を率い、「狩野の絵」を描くことを求められる永徳の絵師としての懊悩を巧みに描出している。

彼の絵の拠り所であった狩野の技法が、同時に彼の絵を縛り付けている。そんなしがらみの表現が秀逸。

自由に絵を描きながら天賦の才を発揮する長谷川等伯に対し、強烈に嫉妬する永徳の無力感、自己嫌悪。読んでいて辛かったし、疲れてしまったが、この感情にはものすごく共感してしまった。

「花鳥の夢」という儚さを感じさせるタイトルは、戦で滅んでいく絵の刹那的な美しさを表しているようで実にいい。

☟ 関連記事

 

スポンサーリンク

流れ舟は帰らず(創元推理文庫)/笹沢 左保

(571ページ、2018/12/16読了)

主人公はアンチヒーロー属性がたっぷり詰め込まれた「渡世人」木枯し紋次郎。いわゆる股旅ものの短編集で、江戸時代後期のアウトローの世界を様々な角度から描いてみせている。やり方は非合法ながらも最後は悪に鉄槌をくだす彼の生き様、美学は、ただひたすらにクールでカッコいい。

ミステリーと銘打ってある通り、物語は各編ひねりがきいており、素直に読ませてくれない意地の悪さがいい。

物語に五つの制約を持たせたという話が解説にあったが、この制約が物語、キャラクターの魅力をうまく引き出している。

時代物+ミステリーの妙を味わえる一冊。

2分間ミステリ(ハヤカワ・ミステリ文庫)/ドナルド・J.ソボル

(234ページ、2018/12/23読了)

一篇2分程度で読める謎解き系ショートショートを71篇収録。ミステリー好きを自認する者として、半分くらいは楽勝でしょと意気込んで取りかかったが、19問しか当たらなかった。

問題としては、知識があれば正答できるものと、文脈上の矛盾に気づければ正答できるものとに分かれる。おもしろいのは後者。

基本はハレジアン博士の快刀乱麻を断つ推理ぶりで楽しませるスタイルなのだが、難問・悪問もそれなりにある。それも含めて寛大な心で楽しむのが粋というものだろう。

美貌のオクタヴィアや一獲千金のバーティ・ティルフォードなどキャラもいい。

機巧のイヴ(新潮文庫)/乾 緑郎

マイベスト(378ページ、2018/12/24読了)

まさに和物のスチームパンクといった趣の小説。独特の世界観ながら、序盤の展開のキャッチーさが読者をこの世界に無理なく誘導してくれる。

特殊な舞台設定に位負けしないどころか、その設定自体をうまく取り込んだストーリーがあまりに見事で、読み終わるのが惜しいほどだった。

からくり人形を軸に据えて物語を描いていながら、「魂はどこからやってくるのか」という哲学的な問いに挑戦しており、その意味では切ないほどに「人間」を描いているといっていい。

読後はなんとなく心地よい感傷に浸らせてくれる良作。甚内のキャラクターがすばらしい。

不在(KADOKAWA)/彩瀬 まる

(256ページ、2018/12/30読了)

なかなかハードな愛の物語。

幼少期に親の愛情を十分に受けることのできなかった明日香は、心の空隙を埋めてくれる相手を常に求めたのであろう。

だから相手がその期待に応えてくれない素振りをみせると、時に攻撃的な言葉で、時に暴力的な行為で軌道を修正しようとする。

支配的で独りよがりな考え方だが、心の均衡を保つのにそういう手段しか選べなかったこと自体がつらくて悲しい。

人間の心の弱くて柔らかいところをそうとわかっていながらチクチクと刺してくるような居心地の悪い読書だったが、最後に明るい未来を感じさせてくれるのがまだ救いだ。

まとめのまとめ

乾緑郎『機巧のイヴ』は、こういう和風サイバーパンク的な世界観に触れたのが初めてだったのですが、新鮮でよかったですね。物語もかなり作り込まれていてすばらしいです。

読書会で教えてもらった小説なのですが、こういったすごい本に出会えるのが読書会のいいところですね。

12月、私としては久しぶりに読書をしたぞ!という月でした。

2019年もこのくらいのペースを守りたいなあと思いつつ、筆をおきます。

それでは本年もよろしくお願いいたします。

つみれ

スポンサーリンク

 

関連記事

  1. 読書まとめ

    【まとめ】2018年6月読書まとめ

    こんにちは。つみれです。2018年6月分の読書まとめをすっかり忘れ…

  2. 読書まとめ

    【まとめ】2018年3月読書まとめ

    こんにちは。つみれです。例年、どうしても年度末はバタバタしてしまっ…

  3. 読書まとめ

    【まとめ】2018年7月読書まとめ

    こんにちは。つみれです。2018年7月分の読書まとめをやりましょう…

  4. 読書まとめ

    【まとめ】2018年4月読書まとめ

    こんにちは。つみれです。だいぶ遅くなってしまいましたが、2018年…

  5. 読書まとめ

    【まとめ】2018年5月読書まとめ

    こんにちは。つみれです。さて、2018年5月に読んだ本をまとめてみ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサーリンク

最近の記事

2019年8月
« 7月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
  1. 読書まとめ

    【まとめ】2018年7月読書まとめ
  2. 読書まとめ

    【まとめ】2018年4月読書まとめ
  3. 歴史

    【感想】「正史三国志」を楽しく解説!『世界史劇場正史三國志』/神野正史
  4. 歴史

    【感想】難しい応仁の乱を詳しく説明した新書『応仁の乱』/呉座勇一
  5. 読書法

    どうしよう!読んでいる本がつまらない!
PAGE TOP