こんにちは。つみれです。
2018年6月分の読書まとめをすっかり忘れておりました。
さっそく、6月に読んだ本をまとめてみたいと思います。
本を読み終わった後、私は読書コミュニティサイト「読書メーター」に感想という名の駄文をアップロードしておりまして、今回もそれを恥ずかしげもなく晒していきます。
6月半ば頃に読んだ3冊は感想を書くのをサボってしまいましたので、そのうちに思い出して適当に書きます。すみません。
2018年6月のマイベスト本は、塩田武士『罪の声』ですかね!
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目次
2018年6月 読書まとめ
応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱(中公新書)/呉座 勇一
(302ページ、2018/06/09読了)
義政の意思むなしく応仁の乱。
きっかけや経緯、結果などがわかりづらいのに、知名度だけは抜群に高いという困った戦乱である。
正直、その複雑怪奇な構造に何度も音を上げそうになった。
うまく交通整理をしてくれているのだが、そもそも題材となるこの戦乱自体が複雑すぎる。
将軍家の後継問題や管領家の家督争いで同族が敵味方に分かれて争う時点で既にややこしいのに、そこに諸大名の利権が絡んだり、数多くの裏切り者まで登場したりするのだから、脳のCPU使用率は常に100%近くなる。
登場人物くらいは整理してから読んだ方がよかったかもな。
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〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件(講談社文庫)/早坂 吝
(336ページ、2018/06/10読了)
下調べをしてはいけない部類の作品。
犯人だとか、事件の真相だとかいったような、普通のミステリーとしての楽しさと、タイトル当てというメタミステリーの亜種的な楽しさが同居しているという意味では、極めて珍しい作品といっていい。
どちらに比重を置くかによってだいぶ印象は変わってくるであろう。
私はタイトル当てという趣向自体には特段興味がわかず、フーンくらいのものだったが。
ミステリーとしての品質は確かだが、一方で品性は開き直りかと思われるほど低く、ミステリーに格調高さを求めるような人にとっては冗談のような一作である。
女王国の城(創元推理文庫)/有栖川 有栖
上巻(435ページ、2018/06/05読了)
「学生アリス」シリーズ第4弾。
今度は江神さんという違いはあるにせよ、英都大学推理小説研究会の一人が失踪し、他のメンバーが異郷の地に救出に行くという展開は前作と酷似している。
序盤で登場する宗教団体の独特な信仰はどこか安っぽいのだが、この会員たちの怪しさといったらない。
フレンドリーだが心を許せない距離感というのは、あからさまな敵対心を向けられるよりもよほど不気味だ。
根本のところで常人とは相いれないようなズレている感がにじみ出ていて不穏としか言いようがない。
うーむ、上巻だけだとさすがにまだよくわからないな。
下巻(438ページ、2018/06/10読了)
私の適当さが露見してしまって恥ずかしい限りなのだが、前作までモチと信長の区別がつかなかった。
本作ではこの二人の良さが最大限に引き出されていて、単純に物語として良かった。
怪しげな宗教団体と主人公グループが半ば対立するという居心地の悪さのなか、事件の真相を看破しなければならないという構図は前作と似通っていて、対比させて語らせたいのかと勘ぐってしまうほど。
謎解き部分も作者らしく正々堂々とした堅実なミステリーに仕上がっており、掟破りの一発芸に頼らない作風はまさに実力派の風格を備えている。
これ解けた人いるのかなあ。
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氷菓(角川文庫)/米澤 穂信
(224ページ、2018/06/11読了)
彼女が追ってくる(祥伝社文庫)/石持 浅海
(288ページ、2018/06/15読了)
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件(講談社ノベルス)/麻耶 雄嵩
(328ページ、2018/06/17読了)
三国志名臣列伝 後漢篇(文藝春秋)/宮城谷 昌光
(365ページ、2018/06/23読了)
何進・朱儁・王允・盧植・孔融・皇甫嵩・荀彧を描く。
『演義』や吉川『三国志』は、劉備や曹操など主役級の人物を際立たせるためにその他の人物を貶するような操作を行っている。
史実としては清白な人物であるのに、無能な将軍として描かれがちな朱儁や皇甫嵩はそうした操作の最たる被害者であろう。
後漢末期という腐敗の時代は、劉備らの活躍を過剰に脚色するのにうってつけの風景だったが、そうした物語的偏向に頼らずとも、本来存在した名臣をありのままに描けば三国志は十分に魅力的な物語たりうることを示してみせた短編集ではなかろうか。
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罪の声(講談社)/塩田 武士
マイベスト(418ページ、2018/06/29読了)
この物語をおもしろいと楽しんでしまうのは若干不謹慎の感があるが、おもしろいのだから仕方がない。
昭和犯罪史を代表する未解決事件を下敷きにしているだけあり、展開を追う楽しみ以上に、作者として事件にどのような結末を与えたのかということが、読者の興味を強烈に刺激してくる。
元となった事件を知らずにこれを読むと他のミステリーに埋もれてしまうことになりかねず、非常にもったいない。
脅迫テープや「キツネ目の男」の不気味さは、史実を知っていてこそ味わうことができるものだ。
その意味では予習必須の稀有なミステリーといっていい。
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まとめのまとめ
6月、自分としてはなかなかのボリュームを読んでいますね。
これくらいの量を毎月読めるといいのですが。
読書実績は計9冊。読んだページ数は3134ページでした。
今後も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
つみれ
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